第71章 私はお前を、お世辞を言わせるために雇ったわけじゃない

市立病院。

長谷川栞は高野咲子に付き添われ、妊娠検査の結果報告書を受け取って外へ出た。

菊地瑠奈はどうしても手が離せない。それでも栞をひとりで病院へ行かせるのは心配だった。

この前、三人で火鍋を食べてから、高野咲子との距離は少し縮まった。

しかも彼女は栞の補佐役でもある。だから瑠奈は、高野に「少し見ていて」と頼んだのだ。

「栞さん、よかったら送りますよ?」

「会社に戻る」

高野咲子は何か言いかけて飲み込み、運転席へ回った。

長谷川栞も後部座席に乗り込む。医師には「とにかく食べなさい」と念を押されたばかりだ。

二日経っても体重は増えるどころか減っていて、さらに1キロ――つまり...

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